つま先に硬い芯が入っていれば、「安全靴」といえる訳ではありません。
今回は、安全靴とは何か基準や規格を詳しく解説しました!
安全靴には素材や安全性の基準があり、合格しないと安全靴とは言えません。
基準について詳しく解説しましたので、ぜひ、参考にしてみてください!
安全靴とは?その基準や規格、種類まで解説
現代の職場では、作業時の安全や健康を考慮した労働環境が求められています。
その中で、足を守るために必要なのが安全靴。
安全靴は、足の怪我を防止するだけでなく、作業中の滑り止め効果や電気絶縁性や耐油性など、いろんな機能があります。
安全靴には素材や安全性の基準があり、合格しないと安全靴とは言えません。
安全靴の基準
安全靴の基準は、日本産業規格(JIS)に「着用者のつま先を先芯によって防護し、滑り止めを備える靴」と定義されています。
日常会話ではつま先に硬い先芯が入っている靴を「安全靴」と呼ぶことがありますが、正しくはJISに適合した靴のみが安全靴と呼ぶことができるのです。
- 定める素材の使用
- JIS認可工場で製造する
- 安全性基準をクリアすること
それぞれ簡単にみていきましょう。
定める素材の使用
アッパー(足を覆う表面の素材)は本革である必要があります。
また安全靴の中でも長靴の場合には、ゴム素材や高分子素材(例:プラスチック)もOK。
また素材の厚みにも基準があります。
JIS認可工場で製造する
JIS認可の工場で製造する必要があります。
たまに日本製のみという方もいますが海外製でもJIS認可が下りれば可能!
実際にアシックスさんや日進ゴムさんは海外製の安全靴のラインナップがありました。
安全性基準をクリアすること
安全靴は下記の基準をクリアした製品のみです。
- 先芯の耐衝撃性能
- 先芯の耐圧迫性能
- 表底はく離抵抗
それぞれ動画で見ていきましょう!
先芯の耐衝撃性能
先芯の耐衝撃性能は、「つま先に重量物が落ちてきた時に、先芯が指を守れるほどの隙間を作れるか」を測ります。
隙間のはかり方は、「先芯の下に入れた粘土のような物が変形していないか。
基準に満たないものは安全靴とは言えません!
先芯の耐圧迫性能
先芯の耐圧迫性能は、落下ではなく荷重をかけ続けた時の先芯の強度を測ります!
先ほどの先芯の耐衝撃性能は、落下による瞬発的な耐久性でしたが、こちらは持続力が分かりますね。
表底はく離抵抗
表底とは、靴底とクッション部分を足したパーツとお考えください!
表底と足を覆うアッパー(動画では表皮)の接着強度を測っています。
作業中に靴底が剥がれてしまうことがないように定めされていますね!
安全性の等級(一覧表)
安全靴は前述の3種類の試験結果から下記の4つの等級に割り振られます!
- U種(超重作業用)
- H種(重作業用)
- S種(普通作業用)
- L種(軽作業用)
安全性が高ければ良い訳ではありません。
作業環境に合わせて選ぶ必要があります。
どうしても安全性の等級が高いU種の安全靴は重たくなりがちなので、軽〜普通作業には向きませんね!
安全等級の一覧表
規格 | 詳細 | |||
等級 | U種(超重作業用) | H種(重作業用) | S種(普通作業用) | L種(軽作業用) |
衝撃エネルギー(J) | 200 | 100 | 70 | 30 |
落下の高さ(cm) | 102 | 51 | 36 | 15 |
耐圧迫性能(KN) | 15±0.1 | 15±0.1 | 10±0.1 | 4.5±0.1 |
表底はく離性能(N) ※革製のみ | 300以上 | 300以上 | 300以上 | 250以上 |
漏れ防止性能 ※ゴムと高分子素材のみ | 気泡が出てはならない |
先ほどご紹介した各試験結果や試験方法の難易度によって等級が分かれます。
これは覚える必要がありませんが、安全靴を購入する際にお店でしたら箱に、通販サイトであれば概要欄にどの安全等級に該当するかを記載されているはずなので、その際に参考にしてみてください!
余程変わった作業内容でなければ、S種で問題ないはずです。現場指定の安全基準を確認しましょう!
安全靴よりも主流なプロテクティブスニーカー(プロスニーカー)がおすすめ!
別記事で解説しましたので、参考にしてみてください!
U種(超重作業用)
ここ最近に新設された安全規格。
JIS規格は日本の規格ですが、世界的な基準ではISO規格という規格があります。
そのISO規格に準拠した規格がU種!
今のところ、U種指定の現場はあまり日本ではないと思います。
高温の機械油がある環境下や1mくらいから重量物の落下の可能性がある環境でおすすめ!
またクレーン車やリフトなど人間以外や2人以上でモノを運ぶ方などにも良いでしょう。
H種(重作業用)
U種ができる前の最上位の安全基準でした。
主に人間以外の力で作業する方や複数人でのモノの持ち運びをする方におすすめ!
U種と同じく、基本的には指定がなければ特別に選ぶ必要がない安全基準です。
S種(普通作業用)
一般的な安全基準で1番指定される安全基準です。
人力による作業のできる範囲内の現場におすすめ。
正直なところ、リフトやトラクターショベルなど作業する方でもS種を履いている方もいました。
現在、安全靴よりもプロスニーカーが主流です。
安全靴のS種はプロスニーカーに同等の安全性基準(A種)がありました。
プロスニーカーの方が履き心地や作業性に優れるため、プロスニーカーをおすすめします。
L種(軽作業用)
清掃や現場での後片付け、品質管理の試験、現場内の簡単な小運搬におすすめな安全基準。
正直なところ、プロスニーカーの誕生でここ最近では必要ない安全基準になりつつあります。
現在、安全靴よりもプロスニーカーが主流です。
バイトや派遣の方でも安全靴は必須!ワークマンでも可能?
多くの現場では、安全性の指定があるのでアルバイトの方や派遣の方も安全靴やプロスニーカーは必須です。
もし、会社から支給されない場合にはJIS規格ではS種(安全靴)プロスニーカーではA種の製品を選びましょう!
アルバイトや派遣の方で安全靴でいうH種やU種を指定にするお仕事はないと思います。
ワークマンさんにもJIS規格の安全靴やプロスニーカーはあります。
店員さんに聞いてみましょう!
「安全靴とは」をまとめます。
当記事では「安全靴とは」について解説しました。
安全靴は、JIS規格T8101に適合した靴です。
つま先に先芯が入って硬ければ安全靴という訳ではないので、気をつけましょう!
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